ベルギーがチョコレート以外で有名なものといえば？それは、間違いなくビールです。とはいえ、世界で一番ビールを消費しているわけではありません。さらには生産量が多いわけでもありません。世界最大のビールメーカーがルーベンにあるにもかかわらず、ビール消費リストにはベルギーはトップ10にも入っていないのです。

ではなぜ、ベルギービールがここまで世界中から愛され、ユネスコ無形文化遺産に登録されるまでの地位を築けたのか。

それは、優れた品質のビールを幅広く提供しているから。世界最高のビールと言われるシメイビールのトラピストから、トンゲルローなどのアビイビール、プリムスなどの大衆向けピルスナー、ローデンバッハなどの東・西フランダースの酸っぱいレッドブラウン、ブーンの酸っぱいランビックビール、ヒューガルデンの白く濁りのあるホワイトビールなど、語り尽くせないほど歴史と物語が詰まったビールがベルギーにはたくさんあるのです。

世界が追いつきつつある ベルギーのビール文化は、ユネスコの世界無形遺産に登録されました。ベルギービール文化が貴重であるだけでなく、その多様性と豊かな歴史は、世界のどこにも見出すことができない唯一無二のものなのです。

ビールはベルギーの一部です。ビール工場は多くの町や村の中心であり、地元のバーが唯一の商店であることもあります。どの酒場に入っても、”Duvel”、”Liefmans”、”Westmalle”、”Chouffe”、”Lindemans” などの有名なビールは、外国人観光客にも地元の人にも理解できる共通言語といえるでしょう。

これで誰かが「ベルギービールは何が特別なの？」と聞いてきたら、100%、いや、200%自信を持って答えられるはず！ベルギービールを知らない人はまだまだ多い。これを読んでいるそこのあなたが、1人だけでも素晴らしさを伝えてくれれば、こんなに嬉しいことはない。ベルギービールを語るのに困らないこのガイダンスを駆使して、ぜひ頑張っていただきたい。