Belgian Beer

世界でただひとつ、ベルギービールの4つの発酵方法を学ぶ

ベルギービールには4つの発酵方法がある。日本のビールの99%が含まれる下面発酵、エールビールに代表される上面発酵、ベルギーの伝統的な自然発酵、異なる発酵方法を組合せた複合発酵まで。世界でも4つの発酵方法でビールを造っているのは、なんとベルギーだけ!ベルギービール通を称するなら、この発酵方法もしっかり学んでおこう。

保存版!ビールができるまで

 

ビールは麦からつくる醸造酒。

ビールの苦味と華やかな香りはホップによるもので、

そこに水・酵母・副原料を使用して造られる。

まずはここで、一般的なビールの造り方をおさらいしよう。

01. 

BOTTOM FERMENTATION
下面発酵

 

下面発酵酵母(ラガー酵母ともいう)を使い、6~15℃の低温で発酵させる醸造法。発酵したあと、ビールの底に酵母が沈殿することからこう呼ばれる。

Taste:すっきり
Type:ピルスナー
Beer:ステラ・アルトワ、ヴェデット・エクストラ ブロンド、プリムス

02. 

TOP FERMENTATION
上面発酵

 

上面発酵酵母(エール酵母ともいう)を使い、15~20℃の高温で発酵させる醸造方法。発酵中に酵母が液面に浮かび上がることからこう呼ばれる。下面発酵よりも発酵期間が短い。

Taste:フルーティー
Type:ホワイト・ビール、ゴールデン・エール、トラピスト・ビール、アビィ・ビール、セゾン・ビール
Beer:デュベル、シメイ、サンフーヤン セゾン

03. 

SPONTANEOUS FERMENTATION
自然発酵

 

培養した酵母を使わず、空気中の野生酵母を利用して自然発酵させる醸造法。

Taste:強い酸味
Type:ランビック・ビール
Beer:カンティヨン・グーズ、オードグーズ ティルカン

04. 

MIXED FERMENTATION
複合発酵

 

様々な酵母や微生物、発酵方法を組み合わせた醸造法。多くは上面発酵ビールをオーク樽に1年半以上寝かせて乳酸発酵させた後、若い上面発酵ビールを加えて造られる。

Taste:複雑な味わい
Type:レッド・ビール
Beer:ドゥシャス・デ・ブルゴーニュ、ローデンバッハ・クラシック

ビールの造り方

01. 麦芽粉砕

麦芽(大麦を発芽させて乾燥させたもの)を粉砕

02. 糖化

粉砕した麦芽と副原料を糖化槽に入れ、温水を注いでおかゆ状のもろみ(マイシェ)をつくり、温度を変化させて、デンプンを糖にタンパク質をアミノ酸に分解させる

03. ろ過

タンクの底からマイシェを抜き、ろ過によって固形分が取り除かれ、麦汁ができる この時、麦汁が甘いほど高アルコールビールに仕上がる

04. 煮沸

麦汁を煮沸し、苦味、香りを付けるためのホップを加える(生ホップ・ペレット)

05. 冷却

酵母が発酵できる温度20℃〜10℃前後まで冷却

06. 発酵

タンクの麦汁に酵母を加え、発酵がはじまる

07. 熟成

2週間〜1ヶ月程度かけて熟成

08. 完成

ビールは、ビン・缶・樽に詰めて完成
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