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二度とフレンチフライとは呼ばせない「フリッツ」を語る会

ファストフード店や居酒屋の定番メニューといえば、フレンチフライ。塩味を好む人もいれば、ケチャップをたっぷりつけて食べる人も多いはず。まさにヤミツキになる味。でも、ベルギー人からしたらツッコミたいことだらけ!あなたの常識を覆す、驚きの5つの真実を語らせていただこう。

01. 


Don’t ever call fries “French fries”!
二度とフレンチフライと呼ばないで!

フレンチフライと呼ばれるこの食べ物、一体どの国が発祥なのだろう。

・フレンチフライって、フレンチ=フランスだからフランスが発祥だったりして?

・ファストフードの付け合わせによく出てくるから、アメリカっぽくない?

はい、残念。これは完全にベルギー人に喧嘩売っている回答。正解は、ベルギー発祥!

 

第一次世界大戦でヨーロッパにやってきたアメリカ人が目撃したのは、揚げたてのポテトを食べ、フランス語を話すヨーロッパ人の姿。キラキラ輝く黄金色したそのポテトは、食欲を掻き立てるような香りで、なんとも魅力的な食べ物。アメリカ人は、「フランス語を話す」=「フランス人」と勘違いしてしまったわけだが、実はこのフランス語を話すヨーロッパ人こそ、ベルギー人だったのだ。アメリカ人が帰国して母国に広めてくれたのはありがたいけれど、「フレンチフライ」と間違えて名付けて広まってしまった。正しい名前は 「フリッツ(frites)」だ。

02. 


Don’t call a potato just a potato!
じゃがいもを、ジャガイモと、ひとくくりにしないで

ジャガイモには8,000年の歴史があるって知ってた?しかも3,000種類ものジャガイモがこの世に存在しているという事実。そのなかでも、フリッツはベルギー産の 「ビンチェ(bintje)」というジャガイモを使用している。サイズ、色、味といい、ベルギーフリッツにとって完璧そのもの。しかもベルギービールにもぴったり合う味を引き出しているのだ。

〜フリッツの物語〜

フリッツはベルギー南部のナミュールにて17世紀に食べ始められたそう。この地の人たちは川で釣れた小魚を揚げて食べていたが、大寒波の影響で川は凍り、小魚が釣れなくなってしまった。困り果てた村人たちは、代わりにジャガイモを小魚のようにスティック状にして揚げて食べ始めた。これがフリッツのはじまり。

03. 


Ketchup? Oh please… you can do better.
ケチャップ?非常識なのはあなた

もしあなたが今までケチャップを付けていたのなら…ベルギー人が襲撃してくるかもしれない。それはどうかわからないが、フリッツに合わせるソースはマヨネーズが常識だ。ベルギー人の40%はフリッツをマヨネーズにつけて食べるのが好きなのだとか。

ソースは種類豊富。日本の侍をソース名にしたサムライソースは、マヨネーズをベースに赤唐辛子の入ったピリ辛のソースで、子供から大人まで大人気。ほかにもトマトと赤ピーマンの入ったアンダルシアソース、マイルドな辛さがたまらないマスタードソース、パプリカやオニオンが入ったアメリカンソースがある。

〜サムライソースの謎〜

このネーミングセンス、日本人にとったら謎でしかない。なぜかというと、日本を連想させる味覚といえば醤油といったもので、例えばテリヤキソースとかだろう。でも、このサムライソースは、赤くて辛い。ベルギー人に理由を聞くと「辛いといったら、アジア。アジアといったら、武道。武道はファイティングスポーツじゃん!」と、これまた謎回答。結論は、彼らもなぜサムライソースと呼ぶのか不思議みたい。ベルギー旅行に行かれた際は、ぜひ試してみてほしい。


教えてJan!ベルギー人に聞いてみた

質問:やっぱりマヨネーズが好きですか?
Jan:Devos-Lemmensという一番有名なフリッツ専用ソースがあります。マヨネーズを付けて食べるのはもちろん好きだけど、ここのフリッツ専用ソースのなかでもアンダルシアソースは格別。ソースは家庭によって手作りするところもあるかもしれないけど、みんなほとんどこのフリッツ専用ソースを買って使っています。

04. 


Special tips to fry your potatoes
20分間の真剣勝負

ベルギーでは、フリッツを「二度揚げ」するのが常識。本物のフリッツは、130〜140度の油で6分揚げ、油から引き上げておよそ10分休ませる。そして2回目はさらに高温の165〜170度の油で1分半〜3分ほど揚げる。そうすることにより、中はホクホクふわふわ、外はカリッとしたフリッツが出来上がるというわけ。まさにこの20分間でフリッツの美味しさが決まるのだ。食べる時は、コルネと呼ばれるコーン型の入れ物に入れて手で持って食べるスタイルが主流。フリッツ専門店では、コルネを置く専用スタンドが設置されているところもある。


教えてJan!ベルギー人に聞いてみた

質問:どこでフリッツを食べることが多いですか?
Jan:2つパターンがあります。ジャガイモから作るお母さんの手作りと、フリッツを買いに行っちゃうパターン。

05. 


No frites, No life
フリッツ無しの人生には意味がない

ベルギー全体で、1週間に280万食ものフリッツが提供され、ベルギー人は1年間に1人当たり平均76kgのジャガイモを食べているという事実。ちなみに日本は21kg(お米は54kg)。この事実を聞くだけで、どれだけフリッツがベルギーの国民的ソールフードであるかは一目瞭然。

街中にあるフリッツ専門店は、地元の人と観光客で大賑わい!揚げたてのフリッツを求めてお店に集まり、お気に入りのソースをディップしてハフハフしながら美味しそうに食べている姿がなんとも幸せそう。

そんなベルギー国民はついにこんな施設まで作ってしまった…!それは、なんと「フリッツミュージアム」。これまた観光客に大人気のスポットだ。フリッツミュージアムでは主にフリッツの歴史、ジャガイモについて、フリッツの作り方など、一気にフリッツについて学べる。もちろん食べることもできる。


教えてJan!ベルギー人に聞いてみた

質問:ベルギー人はどういう時にフリッツを食べたくなりますか?
Jan:いつでも!急に来ます、この気持ち!この感情!この食欲!口の中は、いつでも準備万端!

 

意外と知られていないフリッツ、食べたくなってきた?ベルギービールウィークエンドでは、本場さながらの、中はホクホクふわふわ、外はサクッとした揚げたてフリッツを堪能できるから期待して。なんといってもベルギービールとの相性は抜群!ベルギーに行って食べるのが大変なら、ベルギービールウィークエンドで本場の味を試してみては?

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